協調介入後の円安トレンドはなぜ起きなかったか?

手数料とスプレッドを確認すれば安心!投資をするときの手数料は安いに越したことはない。とはいっても、手数料がなければ金融商品を取り扱う会社の利益もなくなって経営が成り立たないことになる。安心して取引するには、手数料の仕組みやトータルのコストを知り、信用できる会社を選ぶことが大切。そのためには手数料の他にスプレッドをチェックすることが必要だ。

協調介入後の円安トレンドはなぜ起きなかったか

不美人投票による法的な円買いが継続

 

1ドル=76円25銭をつけたド円相場は、3月18日に行なわれた10年ぶりの協調介入によって85円台半ばまでドル高・円安が進んだ。しかし、その後下ルは力なく押し戻され、5月時点では、ドル円は震災前のレンジよりもやや円高水準の81円台の動きとなっている。協調介入を機に、円安トレンドへの転換を相出疋する向きが多かったようだが、相場から肩透かし食らった格好となった。円安が進まない原因は、外部環境が大きく変わったからだ。

 

まず、米国に関しては、年初の景気回復期待が急速に後退しいる。企業業績は好調で、雇用状況は改善しているものの、不動産市況の回復は依然としてている。その結果、年初は、にはFRB(米連邦準備制度理事会)の金利引き上げが行なわれる、という見通しがコンセンサスだったが、現在は「年内の利上げはない」という見方が大勢を占めつつある。低金利のドルを調達して金利の高い市場で運用する、「ドルキャリートレード」は、まだ続きそラだ。そして、ユーロについては、ドルよりも見方が大きく変化した。ユーロ圏内のインフレ懸念から、ECB(欧州中央銀行)理事会が政策金利引き上げの方向を示し、いったんはユーロ高が進んだ。しかし、4月の利上げ実施後、早くもギリシャなどの財政赤字問題が再燃してしまった。

 

ギリシャを筆頭に、ポルトガルやアイルランドの国債の利回りが上昇し、過去最悪の水準となっている。特に、ギリシャ国債は、格付けの引き下げもあり、10年債で約16%、2年債では約25%まで上昇している。これまでの金融支援などの対策が、ほとんど効果がなかったことを露呈したといえる。この累積債務問題をマーケットが再認識してしまったため、ユーロ安が進行、特にドルに対して大きく売られている状況だ。

 

いまの為替相場は、ネガティブな材料に大きく反応する、不美人投票になっているといえよう。外部環境の変化が生じるたびに、消去法的に避難通貨として円か買われているわけだ。ただし、円高もそれほど進まないと見ている。まず、それほど成果が上がらなかったとはいえ、協調介入が行なわれたのは事実。1ドル=80円を超えるような動きには、介入警戒感が付きまとう。また、震災による影響は確実に実体経済を悪化させており、まだ景気回復をはっきりと見通すことができないからだ。したがって、当面、為替相場は、なかなか方向感のはっきりしない神経質なレンジ取引が続くと予想される。